入管で見た、さまざまな光景 ― 在留資格はなぜこんなに難しいのか?
私は仕事柄、入国管理局へ足を運ぶことがよくあります。
正式には出入国在留管理庁の地方出入国在留管理局ですね。
待合スペースで順番を待っていると、つい周囲のやり取りが耳に入ってきます。
「このままでは帰国になりますよ」
職員の方から、やや厳しい口調でそう告げられている外国人の方。
在留期間の更新が難しい状況なのでしょうか。
活動内容と在留資格が合っていないのかもしれません。
在留資格は「日本に滞在するための許可」ですが、
実際には “何をしていいか・してはいけないか” が細かく決められた制度 です。
少しでも枠から外れてしまうと、
- 更新が不許可になる
- 在留資格変更が認められない
- 最悪の場合、帰国を求められる
という結果につながります。
アルバイトで注意を受けている方
「資格外活動許可は取っていますか?」
「週28時間を超えていませんか?」
留学生や家族滞在の方に多いケースです。
本人は一生懸命働いているだけ。
しかし、
- 時間超過
- 許可外の業種
- 実質フルタイム勤務
となれば、重大な違反になり得ます。
「知らなかった」は通用しないのが入管の世界です。
「収入はどこから得ていますか?」
生活費の出所について、かなり具体的に質問されている方も見かけます。
- 本当に仕送りがあるのか
- 実態のない会社ではないか
- 名義貸しではないか
入管審査は“書類の審査”でありながら、
実質的には「生活実態の審査」でもあります。
なぜ、こんなに分かりづらいのか?
日本の在留資格制度は、世界的に見てもかなり細分化されています。
就労系だけでも多数の区分があり、
- 活動内容
- 契約内容
- 報酬額
- 学歴・職歴
- 会社の安定性
など、複数の要素が絡み合います。
さらに、法律だけでなく、
- 省令
- 告示
- 運用要領
- 審査基準
が存在し、条文を読めば分かるという単純な仕組みではありません。
外国人の方が「分からない」と感じるのは当然です。
気の毒だと感じる瞬間
一生懸命日本語で説明しようとしている方。
書類の意味が分からず困惑している方。
「帰国」という言葉に青ざめる方。
制度を知らなかっただけで、
人生設計が大きく揺らいでしまうこともあります。
行政書士の立場として
正直に言えば、
在留資格制度がシンプルになれば、
行政書士の仕事は減るかもしれません。
ですが現実には、
- 書類の整合性
- 活動実態との一致
- 将来の更新を見据えた構成
- 不許可リスクの事前回避
など、専門的な整理が必要な場面が多くあります。
私たちの役割は、
「難しい制度を、できるだけ安全に通過できる形へ整えること」
だと感じています。
難しいと感じたら、早めに相談を
- これって違反になる?
- アルバイト時間は大丈夫?
- 転職したけどこのままでいい?
- 収入が減ったけど更新できる?
少しでも不安があるなら、
問題が大きくなる前に専門家へ相談することをおすすめします。
入管で「帰国になりますよ」と言われてからでは、
選択肢が限られてしまうこともあります。
在留資格は、
日本で生活するための“土台”です。
制度を知らなかったことで、
将来を失うことがないように。
その橋渡しをするのが、
私たち行政書士の仕事だと感じています。
コメントを残す